鼓動−第2章−[後記]

お疲れさまです。如何でしたでしょうか。
これで烈火の章は終了です。
伸も当麻も誰も出てこない、完全オリジナルのストーリーで此処まで長い物を初めて書かせていただきました。
何処がトルーパー小説なの!? とおっしゃる方もきっといらっしゃるかとは思うのですが、今回だけは我が儘を通させていただきます。
この話をきちんと書かなければ、きっと私は先へ進めないと思ったのです。

かなり暗くて、いつにも増して重くて痛い話で本当にごめんなさい。
また、そのうちきっと明るい話も書くだろうから、あとちょっとだけおつきあい下さいな。

私は別に烈火を通して、戦争反対を叫ぶ気も、世界平和を唱う気も、実は更々ないのですが(そこまで立派な人間じゃないですし)ただ、烈火が戦いを通じてどんな事を想っていたのか、それだけを考えてました。
私の大好きな漫画の中にこういう台詞があります。
「正義の味方が極悪非道な奴をぶっ殺す。人々拍手喝采。……野卑な野郎がか弱い美少女を殺っちまう。人々、怒り泣き叫び。……けど、そんなこと、どうだろうと、殺された人間にすりゃ同じだと思うよ。オレ、それにどう反応すればいいんだろう?」
この漫画の中には、自分達が犯してしまった殺人の罪をずっと心に引きずって生きていく独りの少年がでてきます。
何が正義で、何が悪で、本当の正しさというのは何処に基準があるのか。
「法律の中の許される殺人と許されない殺人。」
「殺人はどのような状況下でも悪い……とするか、悪意があったかどうか……と、多少疑わしくても実害があったかどうか……と。」
そんな事を延々、考え悩みながら、その少年は生きていきます。

私が初めてこの漫画を読んだのは、まだ中学生の頃で、もちろん半分も意味なんか解ってなかったんだと思いますが、この漫画に出逢って私の思考回路の基準がある程度決まってしまったんじゃないかなあ(ちょっと大袈裟)なんて、そんな気がします。
基本的にどんな状況下でも、人を傷つけて平気な人っていうのは、私には理解できない人です。
実際の暴力も言葉の暴力も同じく。
ただ、これは、あくまでも誰に対しても優しくしろっていう意味ではないです。
考え違いをしている人を諭したり、いくら言っても自分の責任を果たさない人に意見を述べる。時には手だってあげる。これは、全然OKだと思います。
きつい口調も、その人のことを理解した上でなら、多いにやるべきです。
私が思うのは、相手のことをちっとも気遣わずに、自分の考えをぶちまけて、人の意見を聞かず、それが当たり前だと思っている人がいるっていう事。
あんたは一体何様なんだって。(別に喧嘩売ってるわけではないです。これを読んで気を悪くした人がいらしたら謝りますね。)
うまい言葉が見つからないのですが、私は、自分にはそういう意味で人様を裁くだけの知識も技量も人格もなくって、それを解っているから、意見は言っても、押しつけはしない。お願いはしても命令はしない。そういうスタンスを守りたいなあと、内心思ってます。
とはいえ、実際に実行できているかはとても不安。私も案外切れると恐いらしいし……。(友人談)

なんか、話が逸れてしまったので、戻しますが、烈火があれ程悩んでしまったのは、ひとえに烈火が強すぎたからです。
烈火が、もう少し弱かったら。つまり、自分も必死に応戦しなければ負けてしまうかも知れない程、死と隣り合わせで戦っていたら、ここまで苦しくなかったんです。
強くなることが望みで。
実際、本当に強くなって。
本気をださなくても、相手を簡単に殺せるほど強くなって。
しかも大元の阿羅醐だけが唯一烈火を殺せる強さを持った奴だったにも関わらず、阿羅醐は後方で高見の見物をしていて、烈火の前には姿を現さないし。
自分がただの殺戮者だって思ってしまっても、仕方ないです。
本当にお気の毒な(そう言ってしまったらミもフタもないが)人です。

普通、主人公は、敵を倒してなんぼって感じがあるじゃないですか。
ロボットもののアニメなんか、特に。
私も小さい頃から好きで随分見てたんですが、主人公が戦いに勝って、敵のロボットが爆発して、ああ良かったなってほっとして。
でも、これってよく考えたら、殺人なんだ。って。
あぁ、彼らがやってるのは許される殺人なんだ。って。
もちろんそんな事考えてたら、こんなアニメなんか見てられないんですが。
ただ、自分が話を作るときは、1人くらい、許される殺人に疑問をもつ主人公がいてもいいかなあ、ってずっと思ってました。

だから、ごめんね、烈火。
たくさん苦しい想いをさせてしまったね。
たくさん辛い体験をさせてしまったね。
本当に、もうあなたに対してはただ謝ることしか出来ないけど、こんな奴の頭の中に存在してしまったことを、第1の不幸だと思って、耐えて下さい。

そして皆様、もし少しでも烈火の生き方を肯定していただけるのなら。
烈火が戦って来たことが悪いことだと思わないでいてくださるなら。
宜しければ、烈火を励ましてあげてください。
一言コメントを残して、人気投票にでも票を入れてくだされば、烈火も少しは安心するんじゃないかなあ(烈火じゃなくって、あんたが安心するんだろうなんてつっこみはノーサンキュー)。

ではでは、あと残りわずか。
頑張って突っ走ります。

この想いが、貴方に伝わりますように。願いを込めて。

FARADON 記  

 

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