宇宙と海の狭間 [後記]

お疲れさまです。如何でしたでしょうか。
やっと、これで終了です。無事に雨が止んでくれてちょっとほっとしています。

「銀河旋律」の時は伸。今度は当麻か。とお怒りの声が聞こえてきそうなのですが、当麻の記憶がなくなるというシチュエーションは「銀河旋律」よりも前からありました。いや、だからどうってわけではないんですけどね。
交通事故も、とりあえず当麻が頭を打ってくれればいいくらいに考えていたはずが、何処をどうしたらあんな大惨事になってしまったのでしょう。
けっこう行き当たりばったりな性格が出て来つつあるような……
しかも、伸の時ほど、罪悪感を感じていないのは、当麻自身が伸を助けるためなら、たとえ火の中、水の中などとほざいていた所為だと、無理矢理納得することにしました。
頑張れ、強いぞ、我らが当麻!!
と、エールを送っておきましたので、皆様も、当麻のお見舞いに一言お願いしますね。

そして、伸にも。
本当に、何でこう立て続けに胃が痛くなるような話ばかり書いてしまうのか、自分でも不思議なのですが。
私だって伸を不幸になど決してしたくはないんですよ。

にしても、伸が落ち込みだすと、もう手がつけられなくなるのだと、今回、はっきりと自覚しました。
誰か、伸の浮上のさせ方を教えて下さい。

本当にあの子ほど、周りの人間がこんなにも自分の事を想っているっていうことを、自覚しない人間も珍しいです。特に私の書く話なんて、結局は伸至上主義なのだから、別に恋人でも何でもなくたって、ついつい疑ってしまうくらい、必要以上に伸のことを想ってますもんね。
だがしかし、ですよ、ホント。

でも、きっとそんな伸だから好きなんだなあ。
自分の事が好きでなくて、だからこそ必死になって生きている伸。
自分よりも周りの事を考える伸。
どうか、本当に幸せになって欲しいと思います。

斎と雫に関しましては、今のところあんな場面しか頭の中にないのですが、そのうちもっときちんと形にして2人と柳の話を書きたいな……と思ってます。

ただ、一つだけ。
雫と斎の間にあるのは、血の繋がった兄妹としての感情です。(特に雫)
もちろん男女間の関係は一切ありません。だってそんな事したら、斎の力がなくなってしまうかもしれないのですから、そんな危険は犯しません。
ただ、静かにお互いを想っています。そばにいられるだけで幸せ、みたいな。
そのうち語れるほど、じっくり私の中で膨らませてから、もう一度語ってやりたいと思います。
イラストを描いたおかげで、2人の顔がはっきり想像出来るようになりましたし。
あ、でもその前に、紅と禅の話を書きます。
ええ、断言します。書きますよ。だって原案は出来てるんだもん。

なにはともあれ、今回は降り続く雨が止んでくれることを願います。
別に個人的には雨は好きなのですが。
確かに朝とか雨が降ってると、傘をさして出かけるのがおっくうになったりはするので、そう言う意味では、嫌いなのかもしれませんが、逆に、帰り道(多少濡れてもいい場合)など、霧雨の中、傘をささずに帰るのが好きです。
なんか、空に慰められているような気がして、優しい気持ちになるんです。
水の中を歩いてるような感覚っていうんですか。
波の音を聴いている時と同じような安心感。結局は水が好きなのかも。
う〜ん。おもいっきり水滸してるなあ。

普段の伸は、決して弱い少年ではないと、私は思ってます。
普通に嫌味も言うし、腕っ節だって、実は当麻と互角なんじゃないかな? とは思います。なら何で当麻が掴んだ腕をふりほどけない事が多いかというと、それはただ単に当麻側の“火事場の馬鹿力”ってやつでしょうか?(笑)
それなのに、伸は一度崩れると、とことんまで崩れます。
どんどん内に引きこもって、誰の手も借りようとしません。そんな伸を見ていると哀しくなります。
どうしてそんな事になってしまうのか考えてみると、やはり一番大きな影響を与えているのは、水凪なのではないかと、最近思いました。
水凪も、烈火を亡くした時、誰の手も借りようとしませんでした。
誰のことも必要じゃなくなってしまいました。
その心が、伸の中にまだ残っているから、こんな事になってしまうのかなあ……なんて。

伸がこれ以上自分の事を嫌いにならないように、出来る限り、皆が伸のことを好きなんだよって、伝えてあげられる話を作りたいなと思います。
あ、でもそうなると、遼を相手に三角関係になってしまうかも。
もし、そうなっても許してね、当麻。

どうも、最近、うちの遼は伸のことを好きになってきているみたいです。まあ、もともと私が伸至上主義なんだからしょうがないですが。
なので、以前書きました 「誤解のないように言っておきますが、遼と当麻と伸は別に三角関係ではありません。」 発言は撤回します。(……って、おい)
まあ、遼の場合、一過性って事もあり(逃げをうつな、逃げを)そのうち伸によく似た(?)女の子にでも出逢って恋をする可能性はありますが、当麻に対して宣戦布告をする事は充分ありえます。
又、征士と秀がこのバトルに参加する事は今のところないと思いますが、(2人とも馬に蹴られる気はないらしい)2人がどちらを応援しているのかは永遠の謎です。

偶然にも今回の話を書いている最中に梅雨の時期に突入してしまいました。第3章を進めている頃には、北海道以外は全国梅雨状態(なんだそれは)になっている事でしょう。
雨が降る度、伸の事を想います。

昔、私的には、雨と言えばアンジーをいつも思い出してました。
アンジーというのは、故三原順さんの最大の傑作 「はみだしっ子」 の中の私の最愛のキャラクターです。
伸と同じ緑の瞳をした少年なのですが、性格的にはかなり違います。あ、でも手先が器用で、料理が上手で、世話好きなところはとても似ているのかも……
そのアンジーは、幼い頃、雨が嫌いでした。
でも、母親に捨てられ、誰にも見向きされなかった時、彼は雨の中で言うのです。
「みんな雨から逃げてくよ……雨は……ボクなんかにでもふれてくれて……雨音まで聞かせてくれるのにね……雨は……こんなにも優しいのにね……」
泣きながらそう言ったアンジーの顔が、ずっと忘れられませんでした。
その頃から、今でもずっと、雨は私にとって特別なものです。

関係ないけど、私はかなり重症(?)の雨女です。(^_^;)
用事のある日に限って、雨が降るなんてのは日常茶飯事。昔、私の中で大事件が起きた時、突然台風まで襲ってきました。やっかいな事です。
最近はさすがにそんな力(?)も弱まってきましたが……二十歳過ぎればただの人、って奴かしら?
でも、不思議現象は信じたいです。恐いのは嫌だけど。

今回、かなり伸に辛い思いをさせてしまって、とてもとても済まないと思ってます。
幸せそうに笑っていたのは、第1章の前半だけという、伸FANにあるまじき行為をしてしまいました。私は。
でも、もうこれで当麻は二度と記憶を手放したりはしないでしょうし、それだけで、今後の伸は救われます。

戦いは嫌いです。人が死ぬところなんてもっと見たくありません。誰も、何も傷つけずにすめばどんなにいいか。それは伸の永遠の願いであり、決して叶う事のない願いです。だからこそ、伸にとっては自分の罪も何もかも知っていて、それでもそばにいてくれる当麻という人はかけがえのない人なのです。やっと、その事に少しだけ伸は気付きました。
ということだ、よくやった当麻。
なんとか、ぎりぎりセーフで「銀河旋律」の後記に書いた約束も果たせましたし。(ほんとぎりぎり……もしかして言わないまま終わっちゃうかと思った……ヒヤヒヤ)まあ、だからといって、うちの伸が当麻とこれで晴れてラブラブになるわけではなく。いくら好き(?)でも、絶対滅多なことがないと、伸は言葉にも行動にもださないのは相変わらずでしょうし。
だいいち今回の最後の台詞だって、伸の方から言いはしましたが、あれって考えてみたら、伸が当麻にそばに居て欲しいんじゃなく、当麻が辛くないように、そばに居てあげるって意味だし……あれ? じゃあ、伸は当麻がそばにいなくても平気なのかな……? ちょっと待て。じゃあ、何も進展してないって事? あれ? あれれ?
…………………………(しばし沈黙)
まあ、頑張ってくれたまえ、当麻。

今回、思ったより長丁場になってしまって、書いた本人が一番驚いているのですが、今回は、感想をくださる皆様に、本当に助けられた事が多かったです。
伸を落ち込ませると、自分まで一緒になって落ちていきそうだった私の心境を、皆様の励ましのお言葉が随分と救ってくれました。
まるで、本当に伸に向かって言ってるように、たくさんたくさん、時には秀達の声をかりて一生懸命伸を励ましてくださいました。本当に感謝しています。
此処を訪れてくださる皆様が、優しい人達で本当によかったと思ってます。
伸に代わり、御礼を申し上げます。
皆様の感想や励ましの言葉は、いつも言ってますが、私の日々の糧になってます。
言葉をいただく度に、頑張って話をつくらなきゃ、とか、伸を護ってあげなきゃ、とか、自分でも驚くほど一生懸命に考えております。その割に脳味噌が追いついていなくて、消化不良も多いのですが……
どうか、これからもことあるごとに、どんな些細な事でも良いですから、お言葉を下さい。
叱咤激励、何でもお待ちいたしております。

ただ、想いの方向は一つだけ。
伸。
はやく天気になあれ。

FARADON 記  

 

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