遥かなる場所−傷痕−[後記]

お疲れさまです。如何でしたでしょうか。
趣味に走りまくったシリーズ第2弾ですが、楽しんでいただけましたでしょうか。

本当に、この2人のコンビ(あえてコンビと呼ばせていただきます)すごい個人的に好みです。
現在の秀や征士からは考えられない組み合わせですが、(実際、秀征っていうのは私も見たことありませんし)これは、秀でも征士でもなく、禅と紅だから成立する物語なんです、きっと。
でも、今後2人の会話の片隅に、ちらっとこの頃の記憶が蘇ってくる時があるかもしれません。
そういうときは、読みながらふふふっと含み笑いでもしてください。

2人の間に流れているのが、愛なのか友情なのか、仲間意識なのかは、私にもよくわかりません。
これがグランゾートなら間違いなく愛なんですけど(違)。
やはり、私はこういう微妙な関係が、一番好きらしいです。
逆に、当麻みたいなのは、私にしては珍しい人なのかも。
でも、彼はある意味特別なんで、もう、止める気もありません。いつまでも伸を愛していてください。ただ、暴走だけはしないでね、あんまり。

今回、私にしては初めての試み。何処をとっても悪役でしかない人というのを登場させました。
思い入れを込めないように、名前も決めず、顔の造作もほとんど書き込みませんでした。
というか、書き込めばきっと、どっか好みの男になってしまいそうだったんで、そういう感情を切り捨てるために、あえてそのような方法をとらせていただきました。
如何でしたでしょうか。
憎たらしい奴だなあ、と思っていただけたら成功なのですが。

悪人を書くのは、善人を書くより、緊張します。
どうも私は、たとえそれがどんなキャラでも思い入れを込めてしまう質なので、どっか僅かでも、あ、この人いいじゃん、等と思われてしまったら、物語が壊れてしまいます。
心底憎んで、こいつさえいなければ、と思えるようなキャラ。
難しいなあ。
別に私は世の中すべて善人などとは、絶対絶対絶対、思ってないのですが……。
逆に、善人面した腹黒い奴、のほうが書きやすいかも。う〜ん。

以前、私もどうしようもないほど悪い人っていうのを演じたことがあります。
あ、そうそう、なんとなくばれてるかもしれませんが、私はずっと舞台を中心に芝居をしてきた人間なのです。
それで、その悪い人っていうのは、女の子なんですが、すっごい我が儘で甘ったれで、自己中心的で、自分が気に入らない人はとことんまで追いつめるっていう、とんでもない少女でした。
そして、ついに自分の学校の先生を自殺に追い込んでしまう……という。
普通に考えれば、本当に酷い子です。
私も初めてこの脚本を読んだときは、何て奴だって、嫌悪感を覚えました。
でも、駄目ですね。演じてると、その子がなんか可愛くなってしまって、なんだ、この子もある意味自分に正直なだけで良い子じゃん。なんて。
それじゃ、駄目なんですね。
その子にとっては真実でも、周りにとってはそれがいけないことだと写らなければいけない。
演出家に、その少女の言うことは、本当の事に見えたら駄目だって。
ちらりとでも良い子になってしまったら、舞台が壊れるんだと。
その少女の真実は、周りの真実や善とは別の所に存在する。
その少女は悪だと思ってなくても、周りにとっては悪なんだと。
随分と悩んで望んだ舞台だったんですが、本番当日は、観に来てくれた友達が、「あんたのやった役、すんごい憎たらしかった。よくあんな子やったね。信じられない」という最高の誉め言葉(?)を貰うことができました。

悪い人は難しいです。
書くのも演じるのも。
でも、だからこそ作り甲斐もあるかも。
今度こういう悪い人を書くときは、きちんと書き込んだ上で、思わず吐きそうになるような大悪人を書ける技量を持ちたいなと思ってます。
頑張って精進しようっと。

ではでは、遥かなる場所にたどり着くために。
ずっと一緒に歩き続けよう。

FARADON 記  

 

前へ  目次へ

 

是非是非アンケートにお答え下さいませませ(*^_^*)
タイトル
今回の内容は? 
今回の印象は?
(複数選択可)
感動した 切なくなった 面白かった 哀しかった
期待通りだった 予想と違った 納得いかなかった
次回作が気になった 幻滅した 心に響いた
何かひとこと♪
お名前 ※もちろん無記名でもOK