想起・銀河旋律 [後記]

お疲れさまです。如何でしたでしょうか。
かなりの長丁場でしたが、やっと完結いたしました。本当にどうでしたでしょうか?
なんか、自分自身これで良かったのかと不安が残ります。どうか、皆様のご意見訊かせてください。
ラストシーン、あまりハッピーエンドには出来ませんでした。
いや、最初はもう少し楽な終わりかたも考えてはいたのですが、正人のことを考えると、どうしてもラブラブモードに2人が入っていくことは許せなかったもので。
このラスト近くは何度も書き直しを繰り返し、もう、私にも読めないほどノートが真っ黒になり、場面があちこち飛んで大変でした。
台詞の応酬で読みづらい所も多々あったと思いますが、どうしても当麻や正人の想いを伝えたかったものですから、あえてそのまま彼らが話すままに任せてみました。

あと、実は「正人=烈火」説は最初のプロットでは存在しておりませんでした。
えっ!? と思われるかも知れませんが、本当です。
私はいつも頭の中で映画を見ているような間隔で自由に当麻達に話をさせて彼等がしゃべる言葉をそのまま抜き書きするような形でストーリーを進めていくことが多々あります。(というか、ほとんどがそうです)
で、ここ話のラストの会話も彼等が話すに任せて、私はただ、ぼんやりとその会話を聴いていたのですが、その時、突然正人が、戦線を離脱云々を言い出しまして、当麻と2人で 「……え?」 とおもわず声に出して言ってしまったことを覚えています。
でも、そうやってできたこの設定は、後から考えるととても必然的で、そう考えれば納得がいく事が多々あり、正人は私の心の中で、本当に人格を持って動き出し、私に真実を報せるために出てきたんだなあ……と、ふと思ってしまいました。
正人は烈火ではない。でも、心の奥で共通の想いを持っていたから、烈火の心を受け入れた。そう思ってます。
急遽書き足した前半の烈火の登場を匂わせる数々の場面も、最初から考えていたように、その場にはまってました。これも正人の力のなせる技です。

さて、今回初の長期連載記念ということで、このあとは私の各キャラに対する想いを綴っていきたいと思います。まあ、これが私の考える彼等なんだと理解していただければ本望でございますが、あれ?違うなと思ったら、どうか軽く読み飛ばしてくださいまし。
※当麻に関してはモノローグの後記で語っているので割愛しますね(笑)。

では、まず、伊達征士君。
冒頭で征士と伸が2人だけでお出かけ(決してデートではない)しているのは、それぞれに用事があったので、たまたま、なら一緒に行こうと言っただけです。伸は、単館上映のマイナー映画を見るために、征士は剣道の大会を観戦する為に、出てきました。
征士と伸はとてもいい親友です。
伸も当麻や秀にはきつい口調や嫌味を連発しますが、征士にはそういうことはありません。何故なら伸にとって征士はとても信用出来る人だから。

例えばみんなで待ち合わせをした場合、約束時間の5分前頃には必ず来るのは征士と伸でしょう。遼はなんやかやとあわてふためき、時間ぎりぎりに駆け込んできて「ゴメン遅れて」と謝るタイプ。秀は余裕で時間ぎりぎりか少し遅れるくらい。当麻は……(伸の目が怖くてとても言えない)って感じがするのです。
結構お茶目な征士も好きなのですが、私が書くと征士はなんか悟ってる感じになります。何かあった時、あの当麻が「征!」と頼るのですから。
そのうち征士の少年時代や夜光の事もたくさん書いてあげたい気がします。
いつも冷静に物事を眺めている事が多いのですが、今回は少しバタバタしました。征士にもたくさん弱いところはあります。表にださない分、うちに込めたものってすごいものがあるのではないか……と思う今日この頃です。

征士は幼い頃、頭の中で何度も夜光の言葉を聞いてました。
決して二重人格などではないのですが、夜光が征士にいろいろとアドバイスを与えていたのは事実ですし、征士も最初はそれが普通なのだと思ってました。
自分が他と違うと知って、少し征士は心を閉ざしてしまいますが、やっと仲間に出逢えて、本当の意味で救われたんじゃないのかな、と勝手に想像しています。
もう、ほとんどオリジナルの設定ですので、気に入らない方がいらしたら、すいません。私の征士はこうなんです。
また、夜光は少ししゃべり口調とかは征士に似ています。というか征士が夜光に似ているのでしょう。
かっこよくて素敵で綺麗な征士を心がけて(あくまで心がけてなので、うまく書けているかはあえて触れない)これからも書いて行こうと思ってます。

そして、秀麗黄君。
彼はいいですね〜。何がって言われると困りますが、彼がいると安心します。いつまでもどーんと構えていて欲しいものです。悩みつきることのない彼らの中で、秀だけは別格です。
本編のアニメの中では螺呪羅に目を付けられた(?)おかげで、かなり悩んでましたが、まあ、それは置いといてください。

伸に対しては、さすがの当麻もたまに冷静さを失ってしまいますが、そんな時、頼りになるのは秀でしょう。
いいお兄ちゃんですよね、彼は。
伸も秀には心を許して嫌味攻撃をしますし(えっ? それは意味が違うって?)
秀が元気だと、どんなことでも何とかなる気にさせてくれます。これはとても貴重なことです。
すべて自分で抱え込もうとする伸や、たまに人を信じなくなる当麻と違い、秀は自分に出来る事、自分がやるべき事、人に任せた方が良い事等に対する判断力があります。
ただ、いつかそんな秀にも手に負えない事件が起こってしまったら、彼はどんな風にキレるのでしょうか。
恐らく、秀がキレる時は、自分の事ではなく、仲間の誰かを庇ったり、守ったりする時。逆に直情型なので、思ったことをすぐ口に出し、後で後悔することもしばしば……かな?

また、伸や当麻と関わるほど、征士と会話がないように思われますが、彼らの前々身の紅と禅は、とても仲良し(?)でした。初めての仲間であり、初めてお互いを認めあえた相手であります。
雫や柳達より先に出逢っている分、結構、お互い支え合って生きていた時期があります。
今のところ、2人ともその頃の記憶はないので仕方ないですが、そのうちきっと思い出させてやろう、と、一人ほくそ笑んでます。

さあ、我らがリーダー、真田遼君。
彼は、私の中ではホントに純粋無垢な赤ん坊と同じです。
人をまっすぐ見つめる癖も、嘘のつけない性格も、感情のままに泣くことが出来る素直さも、もう汚れきった自分達には羨ましい限りです。彼を見ていると、安心すると同時に自分の汚さを自覚させられそうで、ちょっとそばには置いておきたくない……いやいや決してそんなことは……
男の子のくせにちょっと泣かせすぎな気もしますが、そこはそれ、遼の素直さが原因なので、目をつぶってやって下さい。それに、彼は素直に泣けない当麻や伸達のかわりにきっと泣いているのです。

また、遼の良い子ぶりは、決して計算ではない良い子なので、癪に障ることもありません。計算していかにも私は良い子ですって言う奴は、苦手です。(別に計算マコちゃんの事を言っているわけではない)
とはいえ、必死で良い子になろうと努力して、上手くいかなくて悩みまくっている 「はみだしっ子」 のグレアムや 「トーマの心臓」 のユリスモールなどはもう大大大好きなので、そこら辺は誤解しないで下さい。
偽りの正義感を振りかざして、主人公顔している奴が苦手なのです。(誰の事? とかつっこまないで下さいね)

あと、誤解のないように言っておきますが、遼と当麻と伸は別に三角関係ではありません。(ホントかな?)
遼にとって、伸は大切な仲間だという事ももちろんですが、なんか母親を重ねてるらしき所があります。
そりゃ、あれだけ世話を焼いてくれて、料理も上手くて、お母さんを知らない遼にとっては、まさに伸は母親なのかも知れません。そう言う意味で、息子の初恋は母親が多いという定説(定説なのか?)というのを考えれば、遼は確かに伸に恋をしています。誰にも渡したくないし、守ってやりたいとも思ってます。
なのに、何をやらせても自分より当麻の方が、冷静で判断力があって、知識も豊富で。
第2章の当麻の医療シーン目撃後の 「かなわない」 発言も、そういうところからでてます。
自分が伸を守ってやりたいのに、力がなくて、当麻にかなわなくて、遼は遼なりにとてもとても悔しい思いをしています。
頑張れ、遼。でも、伸だけは譲らねえぞ(当麻・談)←おいおい
って、しっかり三角関係じゃないか! と書いてて思いました。なんか自信なくなってきたぞ。

さてさて、やはり最後はこの人。大好きな大好きな毛利伸君です。
とか言いながら、今までの後記で、さんざん語り尽くしているような気もするのですが、何と言ってもそこは愛しの毛利君。いくら語っても語り尽くす等ということはありません。
本当にどこがいいの? と、当麻にも訊きたくなるほど素直でないくせに、一体何がそこまで私を引きつけるのでしょう。

彼には幸せになって欲しいのです。本当に。
私の書く伸は、自分の事をあまり好きではありません。当麻のように頭がいいわけでもないし、(そこそこ成績は良いはずなのですが)遼のように皆に好かれる素直さも持ってないと自覚してます。
むしろ、自分の事を、嫌な奴だと思っている時さえあります。
自分の事を好きでない分、回りに幸せになって欲しくて、自分が救われるより、他人を救いたい。そこが、正人に言わせると、自己犠牲の精神なんでしょう。だから、正人は 「THE GIVING TREE」 の手紙の中で、他人の事はいいから、自分が幸せになってくれって言ってしまうのです。

当麻にとって、伸は本当に特別です。
なのに、伸本人は何故当麻がそこまで想ってくれるのか理解していません。まあ、いってみれば“こんな奴、好きになる人間の気がしれない”って感じなんでしょうか。
でも、伸だって、当麻のこと好きなはずです。
伸は遼の前では完璧を目指します。
いつも完璧な微笑みを絶やさず、完璧な優しい人を演じる。
でも、当麻の前では、怒りもするし、泣きもするんです。これが好きでなくてなんでしょうか。
本当の伸の表情を知っているのは当麻だけです。
正人に関しましては、あの頃の伸はまだ、充分幸せでした。戦うという事も知らず、人を傷つけることもなく過ごしてきた分、そんな苦しむことも少なかったでしょうから、なんとも言えません。
まあ、正人は当麻のライバルですから、はっはっは……(私がどちらを応援しているかなんて訊かないで)

当麻は私の理想の男性像です。というか、最近それに気付きました。
普段はおちゃらけてるくせに、いざという時とても頼りになったり、優しかったり。
当麻の行動や台詞は、こうあって欲しいなあ……という私の願望が形になったものです。
逆に伸の行動や台詞は、私ならこうするだろうなあ、とか、私ならこう言ってしまうかも……というのがベースになってます。
まあ、私は伸ほど優しくもないし、自己犠牲の精神も持ってないですけど……しくしく。
やはり、書いていると自分に似てきたり、自分を重ねてしまう所はあるのかなあ、とは思います。
結局、伸のように、当麻に好かれてみたいっていうのが本音かも……

最近、吉田秋生さんの 「BANANA FISH」 を全巻一気読みしたのですが、あの中のアッシュと英二は私の理想の関係ですね。
何が良いって、何でも出来るアッシュの方が、実は離れるとダメになるってところ。
「でも、だめなんだ。あいつが無事でいないと、オレはだめなんだ」
って、なんかうちの当麻が、もろ言いそうな台詞ですよね。
魂と魂で繋がっている関係。死してなお、永遠に心を手に入れる。
いつか、当麻と伸がそうなることを願ってますが……
本当に、ああいう関係を書いてみたいです。うんうん。

今回の 「銀河旋律」 含め、どうもうちの伸は、受け身ばかりで、自分から動いてくれません。
台詞なんかも当麻の場合はどんどんしゃべってくれるのに、伸は頑固なほど自分の気持ちやなんかを口にだしてくれません。なんとかして欲しいものです。
と、言うことで(何がだ)次回作、今度こそ伸の方から動くようにしてみたいと思います。
いままで、当麻の言葉に頷いたりはしても、自分から当麻に言うことはほとんどなかった伸君ですが、(「モノローグ」のラストの“大好きだよ”発言は、単に犬や猫を好きなのと大差なさそうな言い方ですしね)
今度こそ、言わせます。

次回作のタイトルは「宇宙と海の狭間」−そらとうみのはざま−
名前のまんま、当麻と伸の話です。今回は正人の邪魔も入りません。(入らないはず)
でも、きっかけは 「銀河旋律」 で正人が当麻を苛めた(?)雫の一件が元になってます。
テーマはずばり、伸のほうからはっきりと“君のそばに居る”と言わせること。(こんなこと言って大丈夫だろうか)
あと、当麻が伸を必要なように、伸にも当麻が必要なのだと自覚させること。(すごい難しいかも)

とにかく頑張って書きたいと思ってますので、応援と感想、よろしくお願いします。

そしてやはり、大好きな大好きな大好きな伸。
貴方が幸せになるように、誰よりも幸せになるように、願いを込めて。

私の気持ちと同じくらい、この少年が
あなたのお気に入りになってくれたら幸いです。

FARADON 記   

 

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