笑わない天使 [後記]

お疲れさまです。如何でしたでしょうか。
初めてのH×H小説です。

……って、初めてが師クラって、何で相変わらずマイナー路線まっしぐらなの?と思われた方。
私もそう思います(笑)。
でもね、クラピカを描く場合、やはりここは避けて通れない部分だったわけなんですよ。
何故、クラピカがああなのか。
それを師匠と一緒に気付いていって欲しかった。
師匠と一緒に少しずつ、クラピカのことを好きになっていって欲しかった。
まあ、そんな気持ちで描きました。

いつも不思議だったのは、クラピカは何故ああまで頑なに復讐のことばかり言っているんだろうってこと。
いえ、一族絶滅したんだから、復讐をしたいって思うこと自体は不思議でも何でもないのですが、気になるのは、その事に対するクラピカの言動。
「一番恐れるのは、この怒りがやがて風化してしまわないかということだ」
「私の中で怒りが失われていないという意味では、むしろ喜ぶべきかな……」
等々の言葉を聞いたとき、「あれ?」って思ったんです。
怒りが失われていないことが喜ぶべき事。
つまり、「わざと」「忘れないように」自分に言い聞かせている。
「忘れてはいけない」と思いこんでいる。
師匠の言葉じゃないですが、それって一種の強迫観念ではないのか。
何故、忘れちゃいけないのか。記憶を風化させてはいけないのか。怒りを覚えていなければいけないのか。
復讐をしなければいけないのか。

私がクラピカに最初に興味を持ったきっかけがこれでした。

今回は、それを描きたかったというのが、この作品を書く理由の全てでございましたので、とりあえず漫画やアニメで出てきた場面はさほど描き込まないでおきました。
アニメを見ていればわかる場面は描き込めば描き込むほどしつこい感じになってしまったので、さらっと通り過ぎてみました。とは言っても意味が分からなければどうしようもないので、分かる程度には書きましたが(笑)。

同じく、この後クラピカがどうなるかは、アニメをご覧下さい。
漫画ももちろんですが、アニメのほうがより些細な部分まで描き込まれております。
それを良しとする方と、想像の範囲が狭くなるんで困るという方とそれぞれいらっしゃるかと思いますが、私は最初にアニメを見た側の人間ですので、断然アニメ大好き派でございます。

今回の話で、何度も師匠はクラピカに「復讐なんてやめておけ」と言います。
でも、クラピカは止めない。
そして、どんどん笑わなくなっていく。
先が分かってるのに止められない。変えられない。
結局、最終的にはこのままクラピカがヨークシンシティへ行って、幻影旅団と対決するのは、変えられない未来であり事実。
なんかもう、救いも何もない。
何も出来ない。

だからせめて、全てが終わった後でいいから、戻ってこいよ。ってそれだけ師匠に言わせてみました。
そんなもの、たいした救いではないですが。

貴方の進む道が地獄へ続く道だとしても、それでもずっとずっと手を差し伸べていたいと思います。

FARADON 記  

 

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